第122章

望月安はスマホの上のカレンダーを見て言った。

「明後日だよ。航空券はもう予約してある。当日、準備だけしておけばいい」

「うん、わかった」前田南は頷いた。

「北の方だから、少し寒いかもしれない。厚着を持っていくように」望月安は気遣うように言った。

前田南は頷いて心に留めた。

彼女が食事の準備をしていた時、ふと望月琛の姿が目に入った。

この数日間の彼の執拗な付きまといを思い出し、前田南は心底不安になったが、相手は彼女を完全に無視し、そのまま二階の個室へと向かった。

望月安はそれに気づかず、顔を上げて尋ねた。「何か見てたの?」

前田南は首を振り、顔に笑顔を作った。「何でもないよ」

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